毎日の業務に対して、すぐに出来ることと少し時間がかかることなどがあります。
ですが、すぐ出来ることを後回しにしてしまう人は、飼育員には向きません。
「命」は待ってくれないからです。
ヘイケボタルの繁殖活動は非常に限られた条件
上の写真は「ヘイケボタル」です。
サナギから成虫になって、成虫としての生存日数は7~10日ほどです。
この間の活動で相手を見つけて交尾し、卵を産んで死んで行きます。
ヘイケボタルは体長1㎝ほどの小型のホタルで、日本全国の湿地や沼地に生息していますが、風が強かったり湿度が低く乾燥している日には活動出来ません。
雨上がりの湿度が高く風がない、オバケが出そうな蒸し暑い日の夜8時過ぎによく活動します。わずか10日程度の間に、こういった日がなければ繁殖活動出来ないわけで、さらに街灯のような光があっても活動出来ません。
ほんのちょっとでも繁殖活動出来る状況であれば、お尻を光らせて飛び相手を見つけて即交尾します。
繁殖活動を取れる時間がほんとに少ないのです。
種を残すためには、ぐずぐすしていられないのです。
「あとにしよう。」は飼育員にとって命取り
それに比べて人はどうでしょう・・・。
「今じゃなくていいか・・・。」「あとにしよう。」
こういったことって日常的にないですか?
実は飼育員にとって、「後にしよう」「今じゃなくても」という気持ちと行動は、非常に危険です。
飼育員が相手にしているのは、「生き物」です。
体調不良や状況の変化を表面に出すときは、ほとんどが「死」を迎える直前であることがとても多い。そんな相手に対して、「後にしよう」という対応は、「死」を意味します。
今出来ることを直ちに行うこと!
そして小さな変化でも「?」という気持ちで見つけ出すこと。
それが命に関わる飼育員にとって、最大のリスク回避です。
「後にしよう。」じゃなくて、「今やろう!」
今出来るリスクはすぐに取り除くことだね!
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