飼育員になるには!

動物の飼育員を目指すあなた、
飼育員として成長したいあなたにとって
多くの気付きがあるナビになることを
願っています!
「動物が好き」なだけでは続かない、
たくさんの命に関わる仕事です!

READ MORE

動物園水族館の飼育動物は、繁殖のための貸し借り(BL)を実施して種を保存する

スポンサーリンク

動物園や水族館で飼育展示している動物はそのほとんどが野生種です。展示動物がいなくなったら野生個体を取ってきて導入する時代は、すでに過ぎました

日本国内に留まらず、国外の施設も含めて動物を貸したり借りたりすること=ブリーディングローン(BL)を実施して、種の保存を積極的に実施することが当たり前になってきています。

いなくなったら野生から導入する時代は過ぎた

30年ほど前までは、動物園や水族館で展示している動物の入手は比較的容易でした。動物を売買することを専門に行っている業者さんがいて、欲しい動物を伝えたり入りそうな動物を教えてもらうことで、「購入」していました。

ほとんどの動物はこういった手段で動物園も水族館も飼育動物を入手出来ましたが、世界中の自然環境の悪化によってそこに生息する野生動物の多くが減少または絶滅の危機に瀕してきたのです。

野生動物の生体、派生物などの国際取引を制限しているワシントン条約(CITES)は、毎年その該当規制種を増やしていて、それに伴って売買で入手出来る動物種も減ってきているのです。

入手しにくくなってくると、当然購入価格は上がって行きます。

以前は数百万円で購入出来たホッキョクグマやアミメキリンは今、数千万円でも手に入らなくなっていますし、1億出しても手に入らない動物もちらほらいるようです。

水族館においてもラッコはすでに国内飼育個体数は8頭のみ(♂3・♀5)。この先入手の目途は全く立たないので、近い将来ラッコは水族館で見られなくなるでしょう。

繁殖のための動物の貸し借り(BL)で種の保存を推進する

動物園や水族館には、希少な動物を保存・維持するという大きな役割があります。

世界中の生息域外で保存することは、種を残して行くにはとても重要なことで、どこかの施設で伝染的な疾病が発症しても、他の施設で残る。

分散飼育管理するということは、希少動物の保存には欠かせない考え方で、たくさんの動物園水族館の協力体制があって初めて成果を上げることが出来るのです。

では実際にはどうやって動物を繁殖して保存するのか。

それは、繁殖のための動物貸し借り(ブリーディングローン=BL)を行うのです。

例えば、A動物園には繁殖適正年齢の♂のホッキョクグマのみ飼育しています。

一方でB動物園にはこの♂と年齢はが近い♀のホッキョクグマだけがいる。

このままでは繁殖はおろか、毎年年齢を重ねるだけです。

そこでA動物園とB動物園が相談して、どちらかを貸し出すことで繁殖可能なペアを作り、種を残す取り組みを実施します。うまく生まれたらその子の所属をA動物園に帰属するかB動物園に帰属するかを決める。

こうすることで動物の購入費は一切掛けずに、大きな役割である「種の保存」を推進して、飼育展示種を増やして行くことが出来ます。

最近では、動物を購入せずとも繁殖可能個体が導入出来て、子孫が残るこのブリーディングローンでの繁殖取り組みが主流になっています。

この方法は、国外の施設間でも有効で、お互いに高いメリットがあります。

日本動物園水族館協会(JAZA)には、国内外において保存を強く推進して行く種を決めており、そのそれぞれに担当調整者を設定して、遺伝的に優良な個体を残そうと日々活動しています。もちろん、国際的な繁殖専門家集団にも所属し、世界中の施設と連携して希少種を残すために活動を強化しています。

「いなくなったら野生から獲って来て、導入すればよい」という、少々乱暴な導入手段は近い将来、非常に少なくなってくることでしょう

きりらび
きりらび

ブリーディングローンの実施は、着実に成果を上げてきている。環境や野生動物に負荷をかけずに種の保存を実施するには、飼育個体間でどうにかするしかない!

コメント

タイトルとURLをコピーしました