動物園や水族館といった、野生種動物の飼育施設の飼育員を目指す方が
その試験前に読んでおいた方がよい本を紹介いたします。
本は知識を得るものです。
知識はないよりもあった方がいいのですが、経験を積む前に知識ばかり詰め込むと、
身動き出来なくなってしまうこともあります。ですがやはり事前に導入しておいた方がよい最低限が、これから紹介する本で得ることが可能です。
WEBが発達しており、いろいろな情報が交錯しています。
正しい情報が掲載されている反面、その逆も多くありますので、これらはしっかりと選ばなければなりません。
そういった中で専門誌は確実で正しい情報が記載されていますので非常に有効です。
動物園や水族館の専門的書籍はそれほど多い訳ではありません。
動物園学
この本は2009年にオックスフォード大学出版会が出した本で、
「Zoo animals – behavior,management,and welfare」の翻訳本です。
翻訳者は「よこはま動物園 ズーラシア」の村田園長です。
面接などの試験前にというよりも、飼育員になっってからも役立つものです。
時代の変化とともに変わって行く考えもありますが、
基本的には野生種動物の飼育管理の考えはそれほど大きく変わりません。
動物園の知識も多くなりますし、知らなかった一面からの知識も得られます。
動物園学入門
この本の著者も、現在の「よこはま動物園 ズーラシア」の村田園長です。
村田園長は日本大学でも講義を行っている学者で、
国内の「動物福祉」に関する第一人者です。
国内事例がたくさん記載されていますので、具体的に知識を得ることが出来ます。
同じ村田園長が書いた本も読んでみるとさらにわかりやすいことと思います。
村田園長は現在(2020年)、日本動物園水族館協会の理事です。
動物の飼育管理
これは野生動物に限らず、家畜や愛玩動物、実験動物などの動物全般の
飼育管理について書かれています。
非常にわかりやすく、実践的な内容になっています。
動物園や水族館の飼育展示動物と、家畜や愛玩動物とでは生態や習性が
非常に異なっていますが、体の構造や消化器の機能、遺伝的なメカニズムなど
は動物全般で同じです。
基本的に動物の体の構造や各臓器の機能を知っておいた方が、
どんな動物の飼育管理にも役立ちます。
その点では非常に参考になる本だと思います。
水族館学
この本の著者は、前東海大学海洋博物館の館長です。
鈴木さんと西さんの共著ですが、お二人とも東海大学の教授です。
学術的な面から科学的に記載されていますので、
少々難しいと感じる反面、水族館という施設の基本的なところが網羅されています。
水族館はレクレーションとしての娯楽の場だけではなく、
教育的施設であり、さらに野生動物の保全の場としても、
非常に幅広い役割があり、今後はどのように発展すべきかが書かれています。
新・飼育ハンドブック
飼育員として最低限備えていたい知識が記載されているのはこれでしょう。
これは日本動物園水族館協会が出版しているガイドブックで、
「動物園編」と「水族館編」があります。
保全や福祉、輸送や繁殖・病気など、多岐にわたってそれぞれ専門的に
しかもわかりやすく記載されています。
市販されていません。
全国各地の動物専門学校のテキストとしても使用されています。
2020年4月に新しく内容が変わって出版されています。
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