水族館の飼育員には大きく2つのグループに分かれます。
一つは魚類担当、もう一つは海獣類担当。
海獣類を飼育していない水族館もありますが、今回は魚類担当の1日の仕事の内容をお伝えいたします。
魚類担当の1日の業務(一例)
8:30 出勤後着替えてミーティング
8:40~10:00 担当水槽の水温チェック、水槽内生物の状態確認
10:00~11:00 文献調査、解説版等作製
11:00~12:00 餌作り、水温・水槽内チェック
12:00~13:00 昼食・休憩
13:00~14:00 水温・水槽内チェック、水質検査
14:00~16:00 潜水による清掃
16:00~17:00 給餌、水温等チェック、終了
もちろんその日によって実施することが変わりますが、魚類担当の一番重要な点は、水温と水質のチェックです。
水温と水質の管理がもっとも重要
夏には冷水系の魚類の水槽の水温は上がりやすく、しっかりと水温を下げる機械が稼働していて、適温になっているかをチェックすることが大切です。
また逆に冬には暖海系の魚類の水槽の水温は下がりやすく、ヒーターなどでしっかり加温され、適温になっているかが大切です。
そしてもう一つ大切なことは水質管理です。
魚類は水中で排泄しますので、アンモニアの濃度が次第に濃くなって行きます。
アンモニア濃度が高くなれば魚にとっては良くない状況になってしまうため、水を加えて薄くすることや、水槽内の水をいつもより多く排出するといった処置を実施いたします。
ただ、いつもよりも多く水を排出したり加えたりすると、水槽内の水温に影響しますので、水温を変えずに調整することが重要です。
濾過槽の管理は魚類担当の最重要業務
排出した水は濾過槽でろ過しますが、この濾過槽を定期的に掃除しなければ水はきれいになりません。
濾過槽の中には砂が入っていて、この砂には微生物が棲みついています。
水槽の水に含まれている目に見えないアンモニアや汚れはこの微生物が餌として食べて分解してくれることで、魚が生活出来る水になって行きますが、やはりこの砂自体が汚れますので、濾過槽の掃除が必要になるのです。
では砂が入っているこの濾過槽、どうやって掃除するのか…。
汚れた水は上から濾過槽に入り、砂の層を通過して汚れが取れて濾過槽の下から水が抜け、もとの水槽に戻ります。
この水の流れを一時逆転させて砂の下から水を噴き上げ、砂の上の方に溜まった汚れを水と共に流してしまいます。
この作業を「逆洗」と言います。
逆洗を定期的に実施しなければ汚れがたまり正常な水質の水にならないため、水槽内の生物に悪い影響が出てしまいます。
魚類担当の飼育員にとって、水槽内の生物を飼育管理するするためには水温と水質を管理することがとても重要なことなのです。
魚の飼育環境は「水」がとっても大切。水温と水質。
水温が3℃違えば、いきなり移動してしまうことなんてないんです!時間をかけて水温に慣らしてから水槽へ!
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