一言で「飼育員」と言っても決定的な違いがあります。
それは、野生動物種を飼育する動物園や水族館の飼育員を目指すのか。
それとも家畜やペットなど、長い長い人間との歴史の中で、人間にとって必要な命に変化した動物の飼育員を目指すのか、分かれます。
これは動物に対応する時にその対応もまったく異なるということ。
ここを知っておくか否かであなたの仕事先は大きく分かれるのです。
どちらに進もうとも、おそらく「動物好き」は同じでしょう。
ですが、「好き」という人間側の感情に基づいて飼育管理してはならないのが
野生種飼育です。
野生動物はその種それぞれが独自で習性や生態を身に着けた種です。
それは過酷な自然環境下で生き抜いて行くためです。
そして彼らが他の生き物に食われそうになりながら生き抜く目的は、ただ一つです。
自身の遺伝子を残すためです。
この目的達成には、人間側の勝手な想いはまったく関係ありません。
ですから動物園や水族館で飼育展示している「野生種」に対して、人間の感情でいい悪いを決めてはいけないのです。
動物にとってどうか。
動物ファーストの考えのもと、彼らの行動や活動レベルを日々向上して行くため具体的に何を実施するのかを考え実行しなければならないのです。
ですから、動物を観察する目も「主観」ではなく、「客観」。
ここを間違えると、人間主体の動物好きが判断する、飼育動物にとってはありがた迷惑な管理になってしまうのです。
「動物好き」という感情は、人間側のことですよね?
好きだから動物と一緒にいたい…。
こういった感情は理解出来ますが、動物園や水族館の飼育員であれば、持ち続けることが結果的に動物への悪影響を生むことにつながるため、やってはいけないのです。
動物好きだけど、動物のそばには行けない。
もしもあなたが動物好きで、動物と一緒にいるこことを仕事に選ぶのであれば、関わりの歴史的時間が非常に長く、人間にとって必要な命に変わってきた、「家畜」や「ペット」に関わる仕事を選んだ方がいいでしょう。
人間との歴史が長い動物である両者ですが、「家畜」はその命自体を人間が利用させてもらう命です。そして「ペット」は、人間の心を癒してくれる命です。
それぞれ同じ命ですが、こうやって見てみると全然違う「命」なのです。
このことを知った上で自分の将来を選択するか否かは、とっても大きいことと思います。
動物園・水族館のことについて書かれた本、家畜について書かれた本、ペットについて書かれた本が多数ありますので、ご自身で確認してみてはいかがでしょうか?
ペットや家畜は人間が長年改良してきた動物。野生動物は人間とのかかわりが未だにない動物。
人間側の対し方はまったく違うよね!
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