別な記事では、「探求心」が必要とお話しました。
「なぜ?どうして?」っていう、小さいな子供さんが持つ気持ちです。
実はこれって大事。
動物園や水族館といった、野生動物飼育施設の飼育員にとってこれから書くことが非常に重要で大切になってきます。
動物のすべてを人間が知り尽くしているわけではありません。
特に相手が野生動物の場合には、知らないことばかりだと思っていた方がいい。
人間が知っていることの方がはるかに少ないのです。
今地球上に生息している生き物は約870万種と言われています。
このうち陸上の86%、海洋の91%の生き物が未だにはっきりわからない、未記載種であると言われています。
種として人間が登録している種の方がはるかに少ないのです。
そしてその1種1種のことは、さらにわからない…。
動物園で飼育している動物のことを動物園の飼育員はわかっていると思われます。
水族館で飼育している動物のことを水族館の飼育員はわかっていると思われます。
「えっ? 飼育員さんでも知らないことがあるの?」
そうです! 実は知らないことばかりです。
ですから飼育現場ではいつも想定外のことが起きるのです。
想定外のことが起きると、飼育員は戸惑います。戸惑うと判断が狂います。
この戸惑いと判断の狂いがミスにつながるのです。
ミスは必ず起きるのですが、飽くなき探求心を常に持ち、そして生き物から発せられるちょっとしたシグナルを捉えることが出来るように、常に「感性」を育てて行くことが重要です。
この感性はどうやって育てて行くのか?
「この生き物のことはわかった。」と思ってしまうと、一気に感じられなくなります。
なぜなぜを毎日繰り返し、生き物からのシグナルを捉えようと常に謙虚に生き物と
対峙することがとっても大切です。
そしてその結果を出来る限り数字化すること。
数字のデータは客観的な判断材料になって行きます。
主観的ななんとなくの判断基準ではなく、数字に基づいた科学的論拠は飼育現場ではとっても重要になるのです。
数学も大事ですね!
誰でもわかる判断基準が必要。主観ではなく、客観的に判断すること!それが「動物福祉の向上」に直結する!
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