動物園の飼育員を目指すにしても、水族館の飼育員を目指すにしても、そもそもこの業種で働いている人の数が少ないので、はっきり言うと「狭き門」です。
動物園・水族館の飼育員になりたい方が面接に来た時に、まず99%の方が口を揃えたようにこう、おっしゃいます。
「私は幼少の頃から動物が大好きで、飼育員になることが夢でした!」と…。
ご本人は想いの丈を十二分に言葉にしているのですが、大問題がここで起きています。
「飼育員になることが夢」
夢だということは、実現したら覚める?
そう! 飼育員になる前は「なりたい、なりたい」と夢見るのですが、それが実現した途端に夢から覚めて、前に進まなくなるのです。
飼育員になってからがスタートなのに、飼育員になったたことがゴールになる人が非常に多いのです。
「まさか?」と思うでしょうが、実際はそういった方の方が多いのです。
そこで、飼育員になってからしっかりスタートを切ることが出来るために、飼育員になる前に「やっておく5つのこと」をお伝えします。
体力をつける
飼育員は何せ体力が大切です。
獣舎の清掃や飼料の作製や運搬、動物のフンも重いし園内移動ばかり…。
水族館の飼育員もカッパを着て水に濡れながらの作業ですので、やっぱり体力勝負です。
何でもよく食べてどこでも眠れて、すぐに体力を回復できる身体を作って置くことです。
中学生高校生の時に、体育会系の部活でも実施していればおそらく問題なし!
そういった経験がなかった方は、自分自身で体力作りを実施して、タフな体を作っておくといいでしょう。
忍耐力・精神力を高める
動物は何も語ってくれません。
特に野生種は、いくら体調が悪くてもそれを表に出しません。体調が悪いことがこちらにわかった時点で、もしかしたらもう死の一歩手前だということはよくあります。
それを感じ取れる忍耐力と感性が必要です。
ちょっと観察して、「何にもわからない、いつもと同じ」と諦めてしまってはあっという間に生き物の命は尽きてしまいます。
暑くても寒くても、じっとその場で動かず無機物になりきり、動物を観察できるだけの忍耐力が必要です。
さらに、「なにくそ」という負けず嫌いな精神力も大切です。
職場の先輩との関係もその職場によってそれぞれですが、先輩からのちょっと厳しい一言で気持ちが折れてしまう弱い精神では、何も語ってくれない動物の飼育員は務まりません。
夢にまで見た飼育員になれたのですから、何があっても続けて行く強い精神力を育てておいてもらいたいものです。
前向き思考になる
想定していないことが起きるのが、動物飼育の世界です。
ですから、想定外のことをいつも想定していなければなりません。難しいですね~!
動物飼育は「いつもの作業」的なルーティンばかりではありません。
いつ何時何が起きてもおかしくない職場です。
ですが人は想定していなかったマイナスのことが目の前や自分に起こると、とってもネガティブになってしまいます。
「どうして私だけこんなことに…。」「どうして今なの?」って。
でも想定していなかった時こそ、こんなチャンスはめったにない!ラッキー!!
っていうような感じで、常に前向きにものを捉える思考を身に着けておくととても良いと思います。
私自身は少しネガティブな感じになると、最悪を想定してしまう体質。これ最悪です。
でも最悪を想定し尽くすと、その最悪ってまず置きません。
長年いろいろ経験して、最悪想定の最悪は起きないことがわかってからは、比較的何でもラッキー!って前向きに思えるようになりました。
これは心がけ次第です。
失敗を怖がらない気持ちを持つ。
失敗を怖がる人は行動しません。
そして人から何か言われたくない人は言葉を発しません。
これでは結果も向上もないですよね?
成功は失敗を重ねなければ得られません。
失敗を重ねるには行動するしかない。
行動して失敗し、失敗して改善してまた行動する。
これが出来る人はどんどん仕事が上達します。
人から何か嫌なことを言われるのが嫌な人は、ポジティブ思考になりませんから、これも向上しませんよね。
あの発明王エジソンが「白熱電球」の成功を発表した時に記者からこう尋ねられました。
「もし今回も失敗していたらどうしましたか?」
エジソンは、「えっ? 当然成功するまでやり続けました!」と。
最初からうまく行くなんて思っていないんです。
新人飼育員も同じです。
最初から何でも出来て何でもうまく行くなんて、周りの誰も思っていませんよ!
飼育員になったらやりたいことを想定する
飼育員になることが夢なのであれば、なれたことがゴールです。
文字通り夢にまで見たのにそこから先が進まない。
そんなことでいいはずがありません。
飼育員になれたら、こんなことやあんなことをたくさん経験して、あんな飼育員を目指すぞ、という感じでもいいので、何をやりたいのか、想い描くことです。
そしてそれを行う準備を開始する。
飼育員は一般の方々と、動物をつなぐ役割=インタープリターです。
動物のことをよく知らない一般の方々へ、わかりやすいく的確に伝えるには「話す力」が必要ですし、わかりやすい言葉もたくさん知っていなければなりません。
もしかするとその相手が外国の人かも…。
今や飼育員も日常英会話が必須になってきています。
何に対しても自分自身で壁を作らず、果敢にチャレンジしてください。
飼育員になることは終わりではなく、始まり。
どんなことにも前向きにとらえてプラスに!
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