イルカのトレーナーになるために必要なこと 3

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イルカのトレーナーも、アシカのトレーナーも、動物種を限定してその担当につけるかどうかはまったくわかりません。

水族館を運営している母体が県や市などの公的施設であっても、会社として運営している民間施設であっても、その採用時に「イルカトレーナー」として採用募集は出しません

募集時はあくまで「飼育員」です。

飼育員として募集し採用した後に、その人の適性を見て配属を決めますが、採用面接などの時点で、「イルカのトレーナー」といった限定した担当のみに特化してそれをやりたいと申し出る方は、ほぼ採用されません。

それは、いくらイルカが好きであっても、本人ががんばると言っても、個人の気持ちは組織には関係ないからです。

そしてさらに、一種類の動物の担当のみを行いたいという偏った考えでは、飼育動物に対する管理も個人の主観的な思考に偏り、動物にとっては絶対にプラスにならないことがはっきりしています。

「動物の中で何が一番好きですか?」と聞かれたら、「イルカ」と答えてもいいでしょう。個人の嗜好を聞かれたのですから、好きな色はなんですか、とか、好きなプロ野球チームはどこですか、とかと同じですよね。

水族館は、水に関わるたくさんの野生の生き物を展示しそれを見て頂くことで動物種それぞれの特性や、彼らが暮らす環境などに対して、楽しく興味を持って感じていただく施設です。

そして「飼育員」は、自然環境と人間社会をわかりやすく解説してつなぐ橋

個人の嗜好に偏って、「イルカ」というたった一つの情報しか伝えられない飼育員は、その重要な役割を達することが出来ません。

イルカに限らず、たくさんの野生動物とその動物達が暮らしているたくさんの自然環境について、もっともっと知ることが大切です。そして知った分だけ発信すること。

今、イルカのトレーナーになりたいと思っているあなた。

好きだという気持ちは大切にしつつも、イルカだけに捕らわれずにもっともっとたくさんの、不思議一杯の野生生物に対して、広く目を向けてほしいと思います。

きりらび

イルカに限らずすべての生きものとその環境に興味を持とう!

地球上のすべての生き物の命を守るには、知ることが大切。

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