今度は私立動物園の飼育員の1日です。
私立の飼育員は飼育員としての動物に関わる業務の他に、実は何でもしなければなりません。
「飼育員」は動物の飼育に関わる業務のみ実施するというイメージかと思いますが、実は動物飼育業務以外にもなんでも…。
もちろん動物のガイドやイベントなどの実施は行いますので、「人前で話す」ことも求められます。大きな声でわかりやすく解説する。しかも笑顔で…。
かなり難易度は高いです(笑)。
でも実施して行くうちに、必ず皆さん出来るようになりますよ!
私立はその施設にもよりますが、園内の清掃はもちろん、お客様の送り迎えや旅行代理店へ出向いた営業活動、ペンキ塗りや木工作業。
園内の壊れたものを営繕したり、溶接で補修したり…。
園内の草刈りや木の枝打ち、セメントをこねた土木作業など、多岐にわたる業務対応を実施しなければなりません。
公立の動物園に比べ、圧倒的に「動物観察」に充てる時間がなくなります。
でも動物の観察時間を減らすと、動物の行動向上には結び付きません。
それでは動物は獣舎内でストレスが高じ、体調不良に陥ります。
体調不良をそのままにしておくと、体毛や体型も悪化して、観客にとってはこれとないマイナスになってしまい、結果的には入園者を減らしてしまうことになってしまいます。
入園者が減り動物園の収入が減ると、社員の給料も減り、動物の飼料費や施設改善に充てる資金も減ってしまいます。
悪循環です。
ですから動物の飼育レベルを下げることは出来ません。
結果的にさらにお客様が離れます。
私立の動物園にとっては致命的ですよね!
飼育員とは言え、なんでもやらなければならないのですが、その分時間を割いて「動物を観察」し、行動レベルを上げて行く「エンリッチメント」を行うことがとても重要です。
動物をしっかり観察して行動を分析し、行動喚起のためのエンリッチメントを実施出来るのは、「飼育員」だけです。
これが飼育員としての責任です。
公立に比べて私立はなんでもやらなきゃならない。でも飼育員として飼育動物の飼育環境向上に対して何かを行うことは同じ。
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