では「水族館」とはどんな施設なのでしょうか?
飼育展示している動物は、生息場所が水中もしくは水辺近くであることですが、基本的には「動物園」と目的や役割は同じです。
日本には、陸上の動物を主に飼育展示している「動物園」と、水に関わって生息している動物を種に飼育展示している「水族館」とに分かれてそれぞれに運営されています。
そもそも水族館は動物園の一部でした。動物園の中に魚や両生類などを展示している一区画があり、後にそれが大きくなって一つの施設に至ったのです。
ですからなんとなく、動物園と水族館は別といったイメージがあるのですが、それは単に人間側の設定の問題のみなのです。
海外には、陸上の動物も、海洋の動物もその両方を飼育展示している巨大な施設が存在しますが、日本ではそのような巨大施設は運営上、大きすぎて非常にやりにくいだけなので存在自体が非常に稀です。
もちろん施設の広さといった問題もありますが…。
日本国内にも、和歌山県の「アドベンチャーワールド」は陸上動物も海洋動物も飼育展示している数少ない巨大施設です。
中国からジャイアントパンダも借受け数多くの繁殖も行っている、非常に飼育技術も高い優れた民間施設です。
アドベンチャーワールド 公式HPはここをクリック
海洋の生き物をはじめ、水に関わる生き物を主に飼育展示している水族館も、やはり野生種の「生息域外保全」の場としての活動が重要です。
そして、湖沼や河川などの内水系の魚類などの「生息域内保全」にも強く参加活動することが求められています。
海洋生物、特に魚については「水産物」としての位置づけが強く、「保全」すべき対象種はまだまだ少ない状況です。
「シロワニ」などの大型のサメやウミガメなど、国際的に生息数が減少しており、協力して保全しようという種も出てきています。
二酸化炭素排出増加によって地球温暖化が進み、海洋生物の生息にも影響が出てきています。
また、東南アジアやブラジルのアマゾンではプランテーションが増加し、焼き畑によってジャングルが減少していますし、この排煙によって成層圏に煙の膜が出来て、温暖化を加速しています。
また、陸上から排出され微細な破片に砕かれた「マイクロプラスチック」は海洋生物の体内に入り、次々と種を超えて悪影響を出しています。
施設内という「生息域外」で野生種の保全を行い動物のすばらしさを展示し、彼らが暮らす環境についても発信する。
陸の動物を主体に表現しているところが「動物園」であり、そして水に関わる生き物を主体に表現しているところが「水族館」なのです。
もともとは一つの施設から別れたのだから、根本的な目的や役割は動物園も水族館も一緒。それぞれ特別に異なることはないということ!
コメント