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イルカのトレーナーになるために必要なこと 2

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全国各地の水族館で実施されている「イルカショー」

実際には全国で何人くらいの人がその仕事をしているのでしょうか?

イルカを飼育している水族館は全国で約40館です。
飼育頭数によって担当者は変わりますが、少ない水族館で5~6人、
多い水族館では15人、平均10人として合計400人です。

この数字を多いと感じるか、少ないと感じるか…。

非常に華やかで喝さいをあびる「イルカトレーナー」ですが、
華やかな表舞台とは裏腹に、非常に厳しい世界でもあるのです。

イルカは人間の言うことなど聞かない
アザラシやアシカもそうです。
決して人間の言うことを聞いているわけではありません。

人間の出すサイン通りに動くことで、
彼ら動物にとってメリットがなければ動くことはない
のです。

人間との関りや歴史が非常に長いイヌは、
人間のいうことを聞きます。
何故でしょうか?

イヌは人間との長い歴史の中で、
人間に褒められることが喜びになった動物です。
たくさん撫でて、たくさん褒めるとイヌはとても喜びます。

このようにイヌにとって「褒めて撫でる」ことはうれしさや喜びにつながり
これを「強化子(きょうかし)」と言います。

動物によってこの強化子はそれぞれですが、
動物園や水族館の飼育動物である「野生種」にとっては
やはり「餌」が一番強い「強化子」です。

ですから、飼育員側にとって行ってほしい行動へ導き、
その行動を実施した後に、強化子である餌を給餌すると、
飼育員が出すサインに対してプラスの行動を取るようになるのです。

イルカの場合には、強化子である餌とともにホイッスルという聴覚からの
OKサインも同時に行うことで、「正の行動」を実施するようになるのです。

ですがやはり人間との関りの歴史がとても短い野生種です。

動物側の気持ちがサインに反応したくない時もあれば、
体調的に動きを制限したいときもある

発情期に入ったり、いつもとちがう人が近くに立ったりすることで
人間側に対して不信感を持ち、飼育員が出すサインどころではない場合もあります。

人だって人の言うことなど聞きません。
野生種の動物が、とても短い時間で人間の言うことを聞くようになってしまえば、
野生では生きて行くことなど出来なくなってしまいます。

一見トレーナーである飼育員のサイン通りに動き、
人の言うことを聞いているように見えますが、
サインの後に「強化子」がないとわかれば、
そのサインに従うことなどないのです。

きりらび
きりらび

動物はトレーナーの言うことを聞いているわけじゃない。

やったことに対してうれしい対価があって初めて行動してくれるようになる。人間側が勘違いしてはいけない部分。

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