動物園の動物ショーはどうしてなくなってしまったのか?

スポンサーリンク

野生種の動物を使ったショーと言えば、ライオンの火の輪飛びやクマの自転車、
ゾウやライオンが何とも出てくる迫力あるサーカスを連想します。

調教師は長いムチを振り、時折それをパシッ!ビシッ!と打ち鳴らして見事に動物を動かすと、観客は大歓声。

私も幼少時に見た「木下サーカス」や「キグレ大サーカス」を思い出します。
1年に1度しか講演されず、市内の中心部にある公園にサーカステントが張られるとそのテントの裏側で飼育されているクマやライオンが気になり、ドキドキしながらこっそり入って見たことを思い出します。

日本国内を含め世界各国では現在、「野生動物」を使用した曲芸はそのほとんどが廃止されています。

リングリングサーカスやボリショイサーカスといった世界で名立たる団体もやはり動物ショーから撤退しており、動物と言ってもウマなどの家畜や、イヌなどのペットといった動物達が活躍するショーへ変更しています。

この傾向は近年10年程度で一気に加速し、野生種動物のサーカス使用を禁止する国が、世界中で50か国にも及んでいます。

約30年ほど前までは国内の動物園においても、ニホンザルが駅員さんになり制帽を被った「おサルの電車」や「チンパンジーの自転車乗り」、「カンガルーと飼育員のボクシング」などが、時間を決めたイベントとして行われていました。

それも今はまったくなくなりましたね。

いったい何があったのか…。

野生動物に対して、人間が強いることではないとわかったからです。

野生動物は種によって非常に個性的な習性や生態を持ち合わせています。他の種と異なる特異性を持ったからこそ、過酷な自然で生き残り、そして自身の遺伝子をつなげて行くことが出来るのです。

そんな個性的な野生動物に対して、人間の好みだけを押し付けてはいけない、という想いが徐々に「曲芸」的なやり方の廃止につながって行きました。

曲芸は人間の好みを押し付け、動物それぞれの個性を奪います。

ニホンザルは服を着て電車の運転をする動物ではありません。チンパンジーもクマも、自然環境下では自転車には絶対に乗りませんし、ライオンは火の輪を飛ぶことなど絶対にありません。

上の写真をご覧になって、違和感や不信感を持ちませんか?チンパンジーはタバコを吸い、ギターを弾くことはないのです。

自然下では絶対に行うことがないことを「させる」方が、どうかしているとわかったことで、これらは徐々になくなっていったのです。

お客様は、イベント的に実施するから見るのであって、実施する側が実施しなければ見ることはないのです。

きりらび

人間の好みを野生動物に押し付けることはやっぱり違和感がある。

それぞれ本来の状態がいいね!

コメント