野生動物の観察時に威力を発揮する赤外線カメラや高感度カメラの発達によって、
今まで目撃されたことがなかった動物の姿を見ることが出来るようになりました。
北海道各地で目撃されるようになった「白いヒグマ」
動物学においては、メラニン生合成に関わる遺伝的情報の欠損によって、先天的にメラニンが著しく欠乏する遺伝的な疾患がある個体がいます。
いわゆるアルビノです。
アルビノは体の各所においてメラニンが欠乏しますので、目も黒いのではなく赤くなってしまいます。
真っ白い毛のウサギの目が真っ赤な個体を見たことがあるでしょう。
ニジマスなど魚では、例えば1,000匹に1匹ほどの割合で真っ白なアルビノ個体を個体数確認のためにわざわざ混入させることがあります。
野生動物においても時折「白い〇〇」が発見され、話題になることがありますが、北海道の生息している「エゾヒグマ」でもその目撃情報が公開されています。
北海道で目撃された白いヒグマはアルビノではない
ですが、この白いヒグマ。
どうもアルビノではないようです。
クマは世界各地に生息しており、メガネグマ・マレーグマ・ナマケグマ・ヒマラヤグマ・クロクマ・ホッキョクグマにヒグマですが、ジャイアントパンダをクマに含めるという説もあります。
この中で一番生息範囲が広く、体が大きいのがヒグマです。
日本の本州以南に生息している「二ホンツキノワグマ」は色が真っ黒でクロクマに分類されていますし、ホッキョクグマは別名シロクマと言われていて、毛の色は真っ白です。足の裏にも毛が生えています。
ヒグマの「ヒ」はどんな意味
さて、ヒグマです。
ヒグマの「ヒ」とはどんな意味があるのでしょう?
一説によるとこの「ヒ」は「緋色」からきているというものもあります。
「緋色」は赤い色ですが、その赤は黒っぽいものから明るい赤まで様々。
この名の通り、ヒグマの毛色は非常にバラエティがあるのです。
真っ黒な毛。赤っぽい茶。体は黒っぽいが頭は茶。体は茶で頭は金。
胸に「月の輪」の白い模様がある。
そして、「銀毛」と呼ばれる白っぽい毛。
この銀毛グマは頭や四肢の一部に黒い毛が少し混ざっていたり、年を追うごとにどんどん白っぽくなって行ったりと様々です。
自然環境下では、白っぽい毛色の方がきっと目出つことでしょう。
ですが、毛色は遺伝的に受け継がれるもので、幼獣期よりも成獣になるにしたがって徐々に現れてくるようです。
北海道にある「のぼりべつクマ牧場」には、いろいろな毛色のクマがいるようです。
ヒグマってほんとにいろんな毛色がいるよ!世界中で一番広範囲に生息しているから、環境に対する適応性も高い動物。
コメント