動物園や水族館では野生動物を保護収容しているがその実態は?

スポンサーリンク

全国各地で野生動物の保護収容を実施してしる動物園や水族館が多くありますが、決して喜ばしいことではありません。一度動物園や水族館で収容した動物が、もう一度自然に戻ることは非常に困難であり稀なことなのです。

衰弱している動物を保護して動物園や水族館で収容したということを耳にすると、「命を助けた。」という想いから美談になりますが、実際はそんな生易しいものではないのです。

「かわいそう」という気持ちから保護は始まる

人は目の前で衰弱している動物を発見すると、「かわいそう」と思います。これは当然です。目の前の命が消えようとしている姿を見て、「動物愛護」の気持ちでこう思うのは当たり前。

これが野生の動物であれば、動物園や水族館で「保護」すれば助かると思うでしょう。それよりも、自分の目の前で死ぬ姿を見ないで済んだことの方が、ほっとすると思います。

ですが自然の環境下においては、生き物の生き死には通常事

それが見た目でかわいらしい動物や仔であっても、自然下では生き物の生き死が繰り返され、また次の命が生まれてきます。この「命の連鎖」が日々起きている場所が自然であり、人の目に触れる触れないはまったく関係ないのです。

自然下で起きることについて、人は関わらない方がいいのですが、そこはやはり愛護精神が強く働いて、命を救う=保護へと行動してしまいます。

元気になっても自然に戻せない

ですが受け入れする動物園や水族館にとって、どんな動物でも、何頭でも収容できるわけではありませんし、元気になったからといって自然へ戻すわけにも行かないのです。

一度収容して、人の手から食べ物を食べた動物は自分自身で餌を探して食べることをあっという間に忘れてしまいます。さらに決定的に変わることは、野生下で食べていたものから人が給餌するものに変わった途端に、腸内細菌が激変化します。

腸内細菌が変わると消化不良を起こし、衰弱して死亡してしまいます。動物園や水族館ではこれらのことを理解していますから、「保護収容すること=終生飼育すること」という覚悟で保護の依頼を受けるのです。

「保護する」ということは、一生命の責任を持つということ

大型の哺乳類であればその寿命は約30年。30年間は保護した個体の命の責任を持つということです。

野生動物が暮らす自然環境下では、動物の死体はゴミではありません。それどころか、他の生き物にとって大切な栄養になっているのです。大きな動物の死体は、その肉体が栄養源ですのでとてもたくさんの生き物の餌に変わります。

人の目に触れたことで、動物園や水族館へ保護収容されてしまうことが自然にとって本当に良いことなのでしょうか?

目の前の一つの命を救うことは大切なことです。ですがたくさんの生き物が暮らす自然環境への理解を深めて、その環境こそを守るために活動することも、非常に大切なことではないでしょうか。

きりらび

弱っている野生動物を動物園や水族館に保護してもらうだけでは、本当の保全ではない。

人間が関わらない方がいい場合も多いので、客観的に判断しなきゃね!

コメント