三重県志摩市の賢島にある「志摩マリンランド」が2021年3月一杯で閉館することになったそうです。
51年という長い歴史に幕。
長年に渡り海の生き物を展示して、たくさんのお客様に楽しんでいただいた施設だけにとても残念です。
志摩マリンランドは三重県の伊勢志摩国立公園内に1970年に開園した歴史のある水族館です。
マンボウの飼育は特に有名で、マンボウだけを展示している「マンボウ館」があります。
近郊には伊勢シーパラダイスや鳥羽水族館があり、水族館激戦区であることには違いないのですが、伊勢神宮へ参拝される方や伊勢志摩へ観光に来られる方が非常に多い地域であり、激戦区であっても入館者を確保していた施設でした。
しかし一方で50年を経過した施設は老朽化が進みます。
これはどうしようもない事実です。
生コンクリートの強度は50年を超えると劣化してきます。
これはコンクリートの主成分であるアルカリ性の石灰の特性によるもので、長年空気に触れていたりすることで中性化し、コンクリートの内部に配置されている鉄筋がさびできます。
コンクリート内部の鉄筋がさびると膨張し、この圧力によってコンクリートが割れやすくなってしまいます。
水族館の場合、水槽には海水が入っていて金属はさびやすく、コンクリートの爆裂が起きやすい施設であると言えます。
建築から40年以上を経過する水族館では、このような施設の破損が一気に増加して補修が困難な状態になってしまいます。
しかし水族館自体を建て直すには数十億円という巨額が必要になり、それをねん出できなければお客様を安全にお迎え出来ないことになり、閉館せざるを得ないことに至ってしまうと思います。
同館は近鉄系列の民間会社です。
採算が合わず倒産という最悪の事態の前に閉館を決断したのだと思います。
同じ関西にある大阪・海遊館も同じ近鉄系列です。
生きものたちはきっと海遊館の協力によって移動することになるでしょう。
半世紀という長い間、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。
お客様の安全が確保できないと判断したら閉館・・・。
厳しい決断ですね。
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